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おでん博物館へようこそ!

 僕がおでんに関心を持ち始めたのは、1996年暮れのことでした。ニフティサーブの「現代文化研究フォーラム」(現、生活文化フォーラム/FBUNKA)に臨時会議室を設けてもらい、その少し前に博多の屋台で出会った不思議なおでん種「餃子巻き」の話題を持ち出しました。
 すると、全国ではほとんど知られていないのに、なぜか東京の谷中・根津・千駄木地域と高円寺周辺の人たちだけは知っていたのです。40歳前後の人たちが子どものころから食べていて、シュウマイ巻きと並んで人気のおでん種だったと言います。
 餃子巻きを出した博多の屋台の親父さんは東京のこの地域出身だったのか、それとも逆に博多出身者が東京で店を開いたのか、その手がかりが何か見つからないかという思いで、おでんのことを調べ始めたのです。
 ところが、餃子巻きの話をしているのに、「おでんにはやっぱり大根でしょう」とか「牛すじが入ってないとダメ」とか「ちくわぶがいちばん好き」とか、みんなそれぞれが主張を始め、おでん談義が始まってしまいました。ラーメンやうどんやそばにこだわりを持つ人がいるのは知っていましたが、どうやらおでんにもそれなりの主張があるようでした。
 おでんの歴史をひもといていくうちに、どんどん時代をさかのぼり、そのルーツは田楽ということがわかりました。田楽が初めて文献に登場したのは室町時代で、それ以前から食べられていたようです。
 そして、田楽からおでんにつながる日本の伝統的な食文化の流れと、豆腐・コンニャク・練り物などのおでん種の歴史、だしの使われ方や味付けの違いなどから、日本の食文化が総合的に理解できそうな気がしてきたのです。
 とうとう僕は、全国でどんなおでんが食べられているのか、原付きバイクによる日本縦断の旅に出ることを決意しました。その成果は、『とことんおでん紀行』(凱風社、1999年)にまとめたので、興味のあるかたはご覧ください。また、その後もおでん調査は続き、2度めの日本縦断を敢行し、続編に当たる“全国おでんレシピ集”の『とことん亭のおいしいおでん』(凱風社、2002年)を上梓しました。
 それでも、と僕は思います。全国のおでんを調べたといっても、ひとりで見聞きするには限界があります。その土地独特のおでんと思っているのは、実は僕の勘違いかもしれません。おでん博物館に来場したみなさまから、多くの情報が寄せられることを期待しております。

館長顔写真
おでん博物館・館長
新井 由己
(あらい・よしみ)



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